2025年波佐見町の秋陶めぐり

秋陶めぐりって、どんなもの?
まず「秋陶めぐり」とは何かを紹介しておきましょう。
波佐見町の中尾山一帯で開催される陶器の祭典で、日頃は立ち入りにくい窯元やギャラリーを期間限定で公開し、作り手と使い手の交流を楽しむことができます。2025年は 10月25日(土)・26日(日) の2日間、午前9時から午後5時までの開催です。
このイベントの魅力は、ただ “展示即売” を行うだけでなく、町のなかを歩きながら路地と窯元を巡ることができる点です。器を探すだけでなく、道すがら風情ある屋根、煙突、蔵、自然の斜面などと器との調和を感じながらの散策が心地よい体験となります。
公式には「陶郷中尾山」の地域が会場とされ、駐車場は中尾山ゲート横永田駐車場や中尾山交流館駐車場、中尾山グラウンドなどが用意されています。
初秋の土曜・日曜めぐり
今回はおすすめの1泊2日または日帰りの旅程モデルをご紹介します!
1日目:現地入り&町歩き
- 午前:長崎県内または近隣から車や公共交通で波佐見町へ移動
長崎市や佐世保市方面からアクセスする人も多く、波佐見有田ICから車で約15分程度といわれています。 - 昼すぎ:町なかで昼食。地元食材を使った定食や陶器を使った盛り付けを愉しむ
秋陶めぐり期間中には、地元の飲食店で特別メニューを提供することもあるようです。
波佐見焼の器 一龍陶苑 公式オンラインショップ - 午後:中尾山方面へ移動、少しずつ窯元・ギャラリーを巡り始める
最初は下から登るように、または頂上へ先に向かってから下りながら巡るルートもあります。 - 夕方:地元の宿や温泉で1泊。夜は旅の余韻をゆったり味わう
2日目:秋陶めぐり本番
- 朝:早めに朝食をとって、開場直後から歩き始める
混雑を避けて落ち着いた時間を楽しむには、9時開始直後から巡るのがベストです。 - 午前中~昼:参加窯元をくまなく巡る(お買い物、見学、会話など)
各窯元では、その場で作品を手に取ったり、店頭に作家さんがいるときは会話を楽しむこともできるかもしれないですね! - 昼食:窯元近くで地元の軽食を。おにぎりや軽いものが嬉しい。
- 午後:残りの窯元を巡り、気に入った器を選ぶ
- 夕方:離脱。波佐見町を後にする
このようにゆったりめぐれば、無理なくすべてを回れる可能性が高いです。
見どころとおすすめ窯元
秋陶めぐりに参加する窯元は、例年15〜20程度。各窯元にそれぞれ個性があります。
おすすめしたい窯元・ギャラリーをご紹介します。
◎ くらふと龍/一龍陶苑
中尾山近くに本社・ギャラリーを持つこの窯元は、「しのぎ」シリーズやアウトレット品なども扱っており、普段使いできる器から個性的な作品まで幅があります。波佐見焼の器 一龍陶苑 公式オンラインショップ
◎ 赤井倉
味わいのある民家風の展示空間と、2階には少しアンティーク感のある器もあるギャラリースペースがあり、訪ねると時間を忘れます。
◎ 陶房青
繊細なシルエットや童話風の絵付けなど“かわいさ”が感じられる作品が多く、お土産探しにもおすすめです。
◎ 藍彩窯(あいさいがま)
波佐見あちこち陶器まつりの一環として「秋の大感謝祭」を毎年開催しており、工房公開・特価販売・振る舞いなど趣向を凝らしたおもてなしが楽しめます。
他にも「堀江陶器」「光春窯」「孔明窯・紀窯」「三栄陶器」など、多くの窯元が参加します。
旅の楽しみポイント/体験のコツ
まるで陶器を“狩る”ような楽しみが秋陶めぐりにはあります。ただしただ買えばいい、というわけではなく、以下のような心構えや工夫が旅をさらに豊かにしてくれます。
■ ルートを考える
中尾山の山あいに窯元が散在しています。最初に高台を目指すコースと、下から徐々に登りながら巡るコースとがあります。歩きやすさ、体力との相談でルートを選ぶとよいでしょう。
■ 時間に余裕を持つ
お気に入りの器をじっくり選んだり、作家さんと話をしたり、見落としそうな小さな展示を見たり・・・。あまり慌てず、余裕を持ったスケジュールが◎。
■ 写真を撮る心づもり
道端に置かれた大きな壺、煙突背景に並ぶ器、紅葉とのコントラスト…など、陶器とまちの風景が絵になるシーンが点在します。カメラ・スマホは忘れずに。
■ 軽装・歩きやすさを優先
坂道・石畳・小道・段差などが多いため、履きなれた靴、動きやすい服を。秋は朝晩冷えることもあるので羽織りものも。
■ お買い物予算を考えておく
好きな作品が多くて迷うことも。事前に予算を決めておくと後悔が少ないです。また、宅配便手配を考えておくと重たい器の持ち歩きの心配も軽減できます。
■ 食・休憩スポット情報チェック
窯元周辺にささやかな屋台が出ていたり、軽食を出すギャラリーもあります。「コーヒー」「玉こんにゃく」「くじら焼き」など地元屋台を楽しんだ例も。
秋陶めぐりを通じて感じたこと
実際に歩いて感じたのは、「時間の“ゆとり”こそが秋陶めぐりを贅沢にする要素」だということです。器と自然、まちと人、人と作家……それぞれの間にじわりとした関係がある。その関係を感じるには、ただ器を選ぶだけでなく、道を歩き、背景を眺め、風を感じ、会話を交わす時間が必要です。
また、秋という季節もよく合っています。夏のような強い日差しはなく、紅葉までいかない穏やかな彩りが、器の色・形を優しく包んでくれます。陶器と季節が映える一体感を感じることができるのは秋ならではの体験です。
最後に
秋の波佐見へ、器を探す散歩に出かけませんか。
焼きものの産地を歩くというと少し敷居が高いようにも感じるかもしれませんが、秋陶めぐりは「散歩」として、そして「発見」として、誰にでも開かれた旅です。
もしあなたが “日常で使うお気に入りの一枚” を探しているなら、秋陶めぐりにはそのヒントがたくさんあります。普段目にしない景色を背景に、普段使わない手の動きを経て、日常に戻ったときにずっとそばにおきたい器と出会えるかもしれません。








